【精霊憑きと魔法使い】第十二閃

第十二閃『夢の世界と其処の覇者』


 

 ロンガ・シーライドの精神世界――――

 真っ白で真っ白で、壁も床も天井も区別の無い部屋くうかん

 ただただ白いだけで、限りがあるのかすら判別できない。

 それでもロンガはここに“来た”とき、その“中心”だけは何処なのか理解でき、始めに自分が立っている場所はいつもそこだった。

 しかし今――――

 その場所に立ち、銀色の大剣を持って佇むのは――――

「“風霊シルフ”……!!

『クスクス……久しぶりだね、ロンガ。ボクも随分と姿が変わったけれど、ちゃんと認識してくれてうれしいよ。ま、この姿自体、キミの深層に存在するイメージだから、当然と言えば当然なんだけどね』

 明るい口調で語るシルフの姿は、今までロンガより遥かに小さい子供であったのに対し、今ロンガの目の前にいるそれは、成長した女の姿だった。

「ハ………… どういう趣向だよ、おい」

 簡素なイメージのする、ワンピースのような衣服。そこから覗く長く細い脚と腕。

 その姿は言うなれば、ロンガのイメージによって構築された姿であり、それに対し年齢を推し量ることは、意味があるとは言えないが、見る限りでは、ロンガと同じか少し上程度に見えた。

「ハ、とりあえず、オレはお前を倒せばいいのかな」

 左腕を薙ぐように振って、“神器スキル”を生成し、言い放つ。

《そう! 倒せばいいんだよ!!!

「『ん!!?』」

 突如響いた、ロンガのものでも、シルフの物でもない声。

「な……誰だ!?

『馬鹿な。ココはボクとロンガしか存在できないはず――――』

《正確には。“ロンガ君しか存在してはならない”ハズなんだけどね》

「――――っ」

 声を辿って目線を動かす。

 “それ”は、ロンガの足許にいた。居た。

《ふぅ……やっと話ができたか。初めまして、魔導具『ユメロ・タイプR』! です!》

 流暢に喋るそれは、ウサギの姿をしていた。

 否、正確には、ウサギのぬいぐるみのような姿をしていた。継ぎ接ぎの。

『く――何だお前は! ココはロンガの精神空間、ロンガの想像が創造した空間セカイだ! 元から内にいるボク以外、ロンガの他にココで存在できるものか!』

 その“ウサギ”に向ってシルフは眼を見開き、怒鳴る。

《そんなこと、一介の魔導具が知るわけ無いだろう?

 ただ、私はソレを実現するための魔導具なんだから――寧ろココにいないと、私は欠陥品だということになってしまう》

『魔導具――――、クス……あの“魔法使いウィザード”の差し金か……!!

 一度笑い声を漏らしはしたものの、その顔はより怒りに染まったように見えた。

「って、ココの主人たるオレを放って会話してんじゃねえよ!」

 と、足許のウサギのぬいぐるみを踏みつけて。

 継ぎ接ぎのソレは、そのままハロウィンパーティーに出してもいい位の不気味さがあった。

《ろ、ロンガ君!? その脚を除けたまえ! 死ぬ! 圧殺される!!

「ハ、要はあのグレインが、精神世界に潜った“精霊憑きスピリウル”のナビゲートのために製作った獣ってコトだろ?」

《ま、まぁ、その通りだが、だからその脚を早くッ……!!

 言わば、ナビ獣か。と、ロンガは吐き捨てた。

「ハ、だったらお前なんぞ必要ねぇ」

 脚をウサギの上から下ろすロンガ。

《ふう……って、》

 今度はそれを、ボールのように乱暴に蹴り飛ばした。

《むぎゃぁぁああっ!!

 ロンガから遠く離れて落ちるウサギ。

「生憎、ココには何度か来たことがあってね。とにかくコイツを倒せばいいんだろ? それだけ分かれば充分だ」

 左手の大剣を一回転させて、ロンガは構えた。

 シルフの持つものと、同じ形をした、【風霊の大剣ブレード・オブ・シルフ】。

『クスクス、結構酷いことするんだねロンガ。でも、お陰でボクもすっきりしたよ。

 それで、僕を倒すだって? クスクス』

 シルフも、大剣を構える。

『それが如何に難しいか! 身を以って知るといいよ!』

「ハ! 成長しただけじゃなく、随分と感情が表に出るじゃねぇか。

 いいぜ! そっちのが楽しいからなぁ!!

 両者共に、床と呼ぶのも憚られるような、名ばかりの床を蹴って、互いに向い駆け出した。


 

 起き上がった“ウサギ”は、それを眺めながら。

《『成長した上に感情が出るようになった』、か……間違いなく、彼の中で“精霊”が占める大きさが増している……

 “精霊”は“彼ら”が自身の異能に対し抱く感情の具現。その姿は“彼ら”の深層でのイメージであり、当然その強さもそれにより決まる。

 “精霊”を倒す……それは自らを倒すこと。

 さあ、ロンガ・シーライド。その難しさ、身を以って知るがいい》

 少し長めの独り言。

 それは当然ロンガの耳に届くことは無く。

 剣戟の音に、刻まれ、呑まれ、消えた。


 


 

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「……そいつを、どうするつもりなんだ?」

 七罪星のアジト。その地下深く。

 金髪の少年、[傲慢]のビリー、ビリー・L・パッフェルベルは、暗闇の中呟いた。

 凄絶な笑みを浮かべる[強欲]のイミルに向って。

「フ、なぁに、ただコレを囮にするつもりなだけさ……」

 イミルの目の前には、椅子。そこに座るは、キアラ。

 虚ろな眼を薄く開け、生気の無い顔を力なく俯けている。

 まるで、糸の切れた操り人形のように。

「いや。だけだった。と言うべきか」

 動かないキアラを前に、イミルは上機嫌で語る。

「やはりだ。シルストームの屋敷で一目見ただけでは確信できなかったが、コイツは……いや、コレは、間違いなくBBBブラッドボックスボディの成功例……!!

「…………」

「ククク、素晴らしい! 自己崩壊し消滅したと思われていた一体の現存が確認されただけでも幸運だというのに、行方不明だったもう一体までとは!

 コレならば。四大精霊全てがそろわなくとも……!」

 拳を握り締め、肩を震わせるイミル。

「……だが、そうモタモタもしていられまい。グレインのことだ。

 明日にはコイツを『我が娘』だのなんの言って、取り返しに来るだろう。

 もっとも、それが当初の狙いではあったが」

 そこまで言って、後ろのビリーを振り返り、

「シャドゥーラに全幹部を配置に付くよう伝えてきてくれ。その後お前も、俺と一緒に来い」

「……わかった。了解だ」

 上気した声のイミルの命に、必要以上に抑揚を殺いだ声でビリーが応える。その顔には笑いが。

「? 何かおかしいことでもあったか?」

「いや、別に。ただ、あんたが自分の歳を考えない行動に走るんじゃないかと、少しヒヤヒヤしてただけだ」

 身を翻しながら、ビリーは言う。

 イミルはその背中に向かい、

「フ! 何を。俺はまだまだ若いわ! それに、この俺だぞ?

 時間による老いなど、バッサリと断ち切ってくれる」

 そう、大言壮語した。


 


 

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 キロ・ウッドビレッジの精神世界――――

「右手には満月。左手には真昼の太陽。かと思えば、夕日に三日月、曇り空!

 下に眼をやれば、岩場に砂地に、沼、草原!」

 パッチワークのような自分のセカイを見渡しながら、キロは嘆くように叫ぶ。

「ココは、言ったいドコなんだぁぁああ!!!

《ドコもクソも、お前の精神なかだよ》

「うお!?

 いつの間にかキロの足許には、継ぎ接ぎのクマのぬいぐるみ。

 接ぎの縫い目が、顔の真ん中を斜めに走り、厳つい様相を呈すそれは、地面に胡坐あぐらをかいて座っていた。

《一応、自己紹介だ。オレは、魔導具『ユメロ:タイプB』》

「ま、魔導具だと……?」

《ああ。オレは、いや、オレタチは、グレイン・シルストームが製作した、精神ダイブ補助用魔導具。現実世界じゃ、ただのアクセサリだよ》

 “クマ”の言葉を聞いて、キロはぽん、と手を打った。

「あのペンダントか! なるほどなぁ…… ん、てことは、ココはオレの精神世界ってことなのか……」

《そうだ。さっきもそう言ったつもりだが?

 しっかし、まー、随分ふざけたセカイだなぁ、おい》

 クマはキロのセカイを見回しながら、溜息でもつくように言った。

「ふざけたセカイってなんだよ……」

《コレをふざけたセカイと言わず、なんと言う!?

 どこか一場面の記憶が“精神世界”として現れるのならまだしも、お前のセカイは、時間も場所もごちゃ混ぜ。一体どうなってんだ?》

「どうなってるって……寧ろオレが聞きてぇよ……」

 そういいながらも、キロは、自分のセカイの異常さを感じ取っていた。

 具体的にではないが。このセカイは、自分の精神世界であるのに、自分の芯となるものが、なにも、無い。このセカイの中心が分からない。

『浮かない顔をしているな、我があるじよ』

「――――っ!?

 満月の方向。そこから響いた大地を揺らさんばかりの低い声。

「お前は――――」

 そこにいた、怪物を。否、精霊を。キロは一目見ただけで、それと理解する。

 それは、はっきりとした認識が無くとも、常に自分と共にあった存在だからだろう。

「“暴食獣ベヒーモス”」

 キロの三倍近い体躯。岩のような肌。大きな口に巨大な二本の角。

 牛とも蛙とも獅子ともつかぬその容貌。

『ホゥ……何やら異物がいるようだが……まぁいい。

 ところで主よ』

 言って、ベヒーモスは一歩足を踏み出す。

 五本の指の在るその前足は、キロの“神器スキル”、【暴食獣の手袋グローブ・オブ・ベヒーモス】そっくりだった。『ワシは、腹が減ったぞ』

「――――ッッ!!!!

 唐突に、角を向けて突進するベヒーモス。それを、

「おい……てめぇ……」

 キロは“神器スキル”を生成した両手で角を掴み、しっかりと、受け止めていた。

「どういうつもり……だ!」

 ベヒーモスの角を必死に押し返そうとするキロ。

 しかし、両者の力は拮抗していて、共にピクリとも動かない。

『なに。主が我が主に相応しいか。確かめてやろうとした……までだ!』

「!」

 荒々しく頭を振り上げるベヒーモス。

 拮抗を崩され、バランスを失ったキロは、為す術なく吹っ飛んだ。

「くっ……!」

 背中を打ちつけもんどりうったが、落ちた場所は砂地。

 キロはすぐに起き上がり、臨戦態勢をとろうとする。

 が、

「はあっ!?

 獅子のような後ろ足で地を蹴り、獅子とは似もつかぬ前足を振り上げて、ベヒーモスは跳びかかっていた。当然、キロに向って。

 それを、岩の地面を蹴って、避けるキロ。

 泥の上に着地するが、そこを狙ってベヒーモスの巨腕が振り下ろされる。

 派手に跳ねる泥飛沫。

『?』

「オレなら――」

 下から響いたその声に、ベヒーモスは身体を振るわせる。

「ココだぁ!!!

 四足のベヒーモスの腹下から放つ、最大火力の“ヴォミットブロアー”。

『ごぁ……っ ぬ゛ぅ!!

 ベヒーモスは、閃光が奔ると共に呻き声をあげたが、すぐさま身体を捩り、キロを跳ね飛ばした。

 跳ね飛ばされたキロは、空中で姿勢を変え、草地の上で受身を取り、なお止まぬ勢いを、砂地に着地して止めた。

「はぁ、はぁ……やっぱり、オレの精神なか、というだけあって、グローブの魔力量の調節も思いのままか。もっとも、同じ精神の産物たるお前には、然して効いてないみたいだがなぁ」

 口元を拭いながら、キロは言う。平らな岩場に立って。


 

 キロとベヒーモスの闘いを、“クマ”は興味もなさそうに、しかししっかりとそれを視ていた。

《ふむ。この短時間に、この場の状況だけでなく、特性すらそこまで理解したか。

 流石は“[称号]持ち”、と言ったところだが……なるほど見えてきたぞ……

 さて。奴は、自分の立つ地形が、常に自分に都合のいいものに成っていることまで、気づけているのかね?

 “精霊”と互角なところを見ると、そこまでそれに侵されてはいないようだが、キロ・ウッドビレッジ。

 お前の”芯”を見つけないことには、ソレを倒すことは難しいぞぉ……》

 あくまでクマで、あくまでぬいぐるみのはずなのに。

 その“クマ”は、嗜虐的な笑みを、その顔に浮かべていた。


 


 

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「ところでさぁ……ロンガたちがやってる修行って、具体的にはどういうものなの?」

 グレインの言う、『“魔法使いウィザード”用の修行メニュー』を受けながら、アイアは己が父に向かい言った。

「ん? 興味あるのかい?」

 腕を組んでアイアのほうを振り返り、応えるグレイン。

「まぁ、そりゃぁ……」

「そりゃ、あるに決まってんだろ」

 姉の言葉を引き継ぎつつ、リックスも会話に加わる。

「私も!」

 と、遅れて寄ってきたのはメイコだ。

「ふむ……やれやれ、随分聞きたがりの多いことだ」

 そう言いつつもグレインの顔は、満更でもなさそうな笑みを浮かべていた。

 そういったことを語るのが好きなのかもしれない。

「まぁ、あまり時間も無いことだし、休憩がてら手短に行こうか。

 君たちは、“精霊”とはどんなものか、知っているかい?」

 話し始めたグレインと、話を聞くアイア、リックス、そしてメイコ。

 その四人の視線は、石の床に申し訳ばかりに敷いた毛布の上、川の字に眠る“精霊憑きスピリウル”の三人に注がれていた。


 


 

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 キョウコ・フレアライズの精神世界――――

 そこは、暗く閉ざされた協会。

 ステンドグラスを通してのうっすらとした明かりしかない。

 否。明かりは、あった。轟々と燃えて煌々と周りを照らす巨大な松明。

 その松明が、音を立てて大きく振られる。

《うわぁあああああ!!! ちょ、タンマ! ストップ!!!

「うるさい焼け死ね」

《ちょっと!! せめて会話をしてくれよ!!

 炎纏う大剣が振り下ろされ、刃が教会の床を叩く。

《ひぃぃいぃぃぃいぃ》

 間一髪それを避けた、継ぎ接ぎ模様の“ヘビ”の悲鳴と、硬い物がぶつかり合う音が混ざり合って響く。

「ふん……すばしっこいわね……下等生物のくせに……」

 キョウコはそう言いながら刃を引く。

 “ヘビ”は安堵のため息を吐いて(手があればきっと胸を撫で下ろしているだろう)、改めてキョウコに目を向けて言った。

《正確には、生物ですらないけどね……》

「ふーん、じゃあ、アンタ何者?」

「え!? いや、さっきも言ったろ!? 聞いてなかったのかよ!」

 ゴオッ――――!

 と、激しい音と熱を振りまいて、“ヘビ”の横を駆け抜ける。

「やかましい。さっさと説明なさい」

 黒く煤けた床からは、燻るように煙が昇っていた。

《は……はい…… (滅茶苦茶だよこの人――!!)》

「なんか言った?」

《い、いえ……》

 心の中で冷や汗を山ほど、否、海ほど掻きながら、魔導具『ユメロ:タイプS』は自分の存在理由、今キョウコといるこの場所の説明をした。

「ふーん、じゃあ、私は“火竜サラマンダー”と一戦交えることになるわけね――楽しみ――あら?」

《どうしたんだ?》

「おかしいわね……いつもは強敵と戦うの、とっても楽しみなのに――なんだか、今回は、今回だけは――戦いたくない……ような?」

《(なるほどね……この子の“火竜サラマンダー”を形作るのは、畏怖や嫌悪……か?)》

『それは当然だろう、キョウコ・フレアライズ』

 教会全体が共振するような声と共に、その一角、キョウコの背後から狂うような熱と、焔の明かり。

「――――!?

『なぜならワタシは、お前の恐怖で出来ているのだから』

《な……おいおい、ウソだろ、“火竜サラマンダー”……!! 桁が違うぞコレは……!!

 燃える爪。巨大な翼。長い首。熱を放つ鱗。

 高い高い教会の天井一杯に。

 広い広い教会の幅全体に。

 圧倒的存在感ねつりょうを以ってそこに居たのは。

「火竜……ドラゴン……」

 まさに竜の名に相応しい、掛け値なく文字通りの、ドラゴンだった。

 その前肢の爪は、キョウコの持つ【火竜の大剣ブレ-ド・オブ・サラマンダー】と同形。

『まったく……嘆かわしいことこの上ないな。キョウコ・フレアライズ』

 グレインの製作した魔導具である『ユメロ』をして、『桁が違う』と言わしめたサラマンダーは、高い位置にある頭を下ろすことも無く、睨みつけるようにキョウコを見下ろしながら、尊大な口調で教会の空気を振るわせる。

『決して力では負けていなかった。他の何においても負けてはいなかった。

 それを、たかが“風霊シルフ”の小僧に不覚を取りよってからに』

「あの日のことを言ってるの? はん、そんな昔のこととっくに忘れたわ」

 あの日、とは、ロンガとキョウコが戦って、そしてキョウコが敗北を喫した日。

 そして、キョウコが贖罪の旅に出ることを決意した日。

『嘘を吐くな。お前とワタシは一心同体。それくらいの嘘、疑るべくも無い』

 もとより、キョウコもそんな嘘が通じるなどとは思ってはいない。

 サラマンダーのその台詞も、彼(?)一流の冗談、だったのかもしれない。

『来い。お前がワタシを振るうに値するか否か。その身を以って示して見せよ』

 そこで初めて頭を下げ、真正面からキョウコを睨む。

「………………」

《おい……何か言えよ……見られてるだけで燃え上がりそうだよ……》

 キョウコの足許で、継ぎ接ぎの“ヘビ”が縮み上がる。

 ふぅ。と。キョウコの口から吐息が漏れて。

「いいわ」

 ジャキリ。燃え上がる剣の切先を、眼前を埋める竜の眉間へ向けて。

「あなたは私の“恐怖”で出来ている。そう言ったわね?」

『ああ。その通りだ。自らの能力に抱く“恐怖”。それそのもの、とも言えるな』

 サラマンダーの応えを聞いて、キョウコの口元は妖しく笑みを形作る。

「なら私は。あなたを倒し、私の恐怖を断ち切って」

 キョウコの言葉もそこで一瞬切れて。

「もっと強くなってやるんだから☆」

『《☆だと!?》』

 サラマンダーだけでなく。“ヘビ”の声もまた、広い広い教会中に響いたのだった。

 

 

 

 

第十二閃――END――

 

 

 

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